和の庭

Nahoho2008-03-07

 恐ろしい事に、あと1週間で帰国。昨日ウチに来て様子を見た友人には「こりゃ引越無理でしょ」と斬られました。・・・気を取り直してブログ更新(違)。

 最後の仕事、日本庭園(「和の庭」と命名されました。そのままやん!という突っ込みは、イギリス人やから許してえ。もちろん発音はワノニィーワ。)も、明日で強引に終了。これまた恐ろしい事に、最後になって私のデジカメ壊れた・・ので、少し前に撮った作業中の写真しかないけれど一部を紹介。もっと撮っときゃよかった。
 入口は数種類の竹でお迎え。(写真上)これは珍しい韓国の竹で金色に輝いてとても綺麗。竹マニアの市民より寄付。
 築山部分。水が湧き、野に流れ出るところを枯山水で表現。庭の一番奥の光る白樺と大石が庭の主。山部分はピークの穏やかな野をイメージ。歩いて回れるように歩道付き。石を渡るの大好きな子供達のために。

滝石組のところ、大石が2つしか手に入らなかったので、敢えて少し離して後ろの白樺を3石の一部として見せた。ピークの水が湧く地帯を模して、湧水地の周りは水でなく湿った苔で覆う(予定)。

手前にはお約束の亀島。(ひょろんと松が生えてるとこ)

庭の手前半分は歩くところ。道すがらに蹲。隣に私の大好きな侘助(白椿)。

そして、入ってすぐのとこに休憩できるエリアはまだ未完成。ベンチと焚き火ゾーンがある。彼が首謀者カクタス。

全体像はこんな感じ。今はまだ冬枯れだけど、春夏の緑と紅葉が楽しみ。

 イギリス人は、ほっとけば世界中から植物を集めてきて、隙間にぎゅうぎゅう植えていくことがわかったので、その辺は彼らの楽しみにとっておいて私は骨組み作り、そして繁りに繁ったこの庭の伐採(開墾?)に重点をおいた。開墾前の写真がないのが残念だけど、すごい変わりようなのです。

 思い掛けない出会いから2年。紆余曲折して、休んでた期間もあり、停滞期もあり、気軽に引き受けたものの、庭を造る技術的・予算的な難しさそのものもある上に、「イギリス人が期待する日本庭園」と「「私が思う日本庭園」とのギャップを繋ぐにもかなり苦労して、ほんと逃げ出したいことも何度もあった。でも、それをカバーしたのは時間と出会い。すぐに答えを出す事を強いられない余裕のある現場(お国柄)だったこと、そして親方を始め声をかけて手伝ってくれた人達との出会い、そして首謀者カクタスの庭への情熱。どれが欠けても無理やったなあ。ほんまにカクタスが言うように「Miracle」!

 この夏には、庭の真ん中にそびえるとんがり針葉樹の生き残りを桜に植え替える予定。平和のシンボル・桜を日本庭園に植えたい、と申し出ている平和団体がいるそうです。まだまだ、ほんとはこうしたかった心残りもいっぱいあるけど、これからはそんなふうに、庭に訪れた人達が少しづつ参加して、どんどん変えてってもらいたい。日本庭園って?って思いながらやってきて、植物好きな人は日本の植物を楽しみ、石好きは石を愛で、花だけじゃない、苔も羊歯も綺麗だよってことに気付いてもらって、そしてほっと一息ついて、イギリスでない遠い国のことを想ってもらいたい。
 週末には彼らの計らいで庭で最後のパーティを開いてもらうことになった。ほんとに終わるんやなあ、って思うとさみしいわ。

 和(wa):Calm・Harmony・Peace・ Japan