日本語と格闘

Nahoho2007-12-05

 子供の話です。1年生の歳になった4月から、日本人補習校に行かせる代わりに、自宅でコタに日本語の読み書きを教え始めた。ウチの場合はそれまでのんびり何もやっていなかったので、あいうえおから始めた。しんどかったなあ・・・ほんとに。何がって、まず勉強を始めさせるのが最大の難関。泣いて叫んで逃げられて、こっちも冷静になれないからもうカッカしながら、20分くらいかけてやっとのことで座らせても、始めの頃はせいぜい10分くらいしか座っていられなかった。最後の手段はいつも「そんなら来週から補習校行きなさい!」。それだけは絶対イヤなコタは渋々始める。「ママと勉強したい」は彼の強い希望でもあった。
 理想とは全然違った。私自身、あまり勉強に苦労した覚えがなかったので、一人目のコタが学齢に達する前には「勉強を嫌いにさえしなければいい。そしたらきっと自分から興味を持って勉強していける。」と気楽に思ってた。今、興味どころか勉強という言葉だけでもキャーと叫ぶ子を育ててしまった。でもやっぱりやるしかなかったし、家でやってよかったなーと思ってる。この段階の子は、イヤイヤだろうがやったらやったぶんできるようになっていく。ふたりで一緒にやってきたな、って実感がものすごくある。この年齢で子供の成長をこんなにツブさに見守れることってもうないんだろうなー。今でもまだしょっちゅう泣くけど、計1時間は一緒に机に向かって座ってられるようになった。
 そして先週初めて、シェフィールドで開かれている小さな日本語のスタディグループに参加。どうなることかとドキドキしてたら、手はあげまくり、冗談も飛ばし、なんや元気やん。そしてちゃんと字も褒めてもらえて得意満面で帰ってきた。ああ、学校って、プロの先生ってやっぱりいいわ、笑。
 普段日本語で会話してると気がつきにくいけど、コタはいつのまにか読みも書きも(客観的に比較できないからわからないけど、多分会話も)英語のほうが明らかに負担が少なくこなせる。例えば、同じような分量の文章なら英語のほうが断然早く書けるし、本は英語のばかり読んで日本語のは親に読ませる。当たり前だけど、学校で英語もがんばってたんやなーって改めて思う。日本に帰って英語ができても、あの年齢ではなんのメリットもなさそうで可哀想だけど、きっとがんばったことは将来のいつか何かの形で彼の役に立つと信じよう。日本語の進みは遅いけど、それをおおらかに受け入れてくれる帰国先の学校であることを願うばかり。