Winter in Madrid

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 今月のブッククラブの本。今まで読んだことのなかった戦争恋愛モノ(映画カサブランカくらいしか浮かばへん)やし、初めて本を手にした時は広辞苑並の厚さに、これを読み切ることはありえない、と思った。が、読み始めると進んだ。舞台は内戦真っ最中のスペイン・マドリッド。イギリスの名門パブリックスクールで共に少年時代を過ごした男たちが、様々な人生を経て戦時中のスペインに集まり・・・といった内容。
 スペインの陽気なイメージが大好きで大学時代の第2外国語はスペイン語だったのにも関わらず、高校時代は世界史を取ってたのにも関わらず、スペインの悲しい歴史についてほとんど知らなかった私。調べながら読んでいくと、世界史の事件名だけじゃわかりにくいヨーロッパ各国(特にイギリス)の世界大戦前後の駆け引きなんかがすごく人間的で生き生きとしてて、かなり面白かった。悲惨な内戦の状況はかなりリアルで、子供の頃、本で見て忘れられなかったピカソゲルニカの歴史を知った。ファシズムコミュニズムなんかの当時世界を分けていた価値観も、恥ずかしながら今回初めて深く知った気がする。ヨーロッパ人が多い私のグループで、実際にスペインの独裁者フランコが死んだ時の自国の様子を生活の一部としてリアルに覚えていて語れるメンバーが数人いたのが印象的だった。
 恋愛ネタが「そんなんありえへんし」系の偶然が重りすぎるドラマ張りの展開だったのはイマイチやったけど、まあそれがなかったらほんまに暗い事ばっかりやからしゃあないか。日本語訳あるのかな?歴史が苦手な人にも楽しめる歴史モノとしてお勧めの本です。
 そして、偶然が重なりもうすぐ夏のマドリッドに遊びに行くことになりましたー!しかも一人で(現地で友と合流)。わっくわく。それまでに花粉症治ってほしいなあ。