■

イギリスで１歳の誕生日を迎えて歩き始めた娘は、今、歩きたくってしょうがない。
歩き始めた当初は、そのオムツ振りながら歩く姿がかわいくてかわいくて目を細めていた私。
しかし最近、とうとう彼女はベイビーカーを拒否し始めたんです。
ベビーカーで乗せられてしばらくすると「アーー、ギャーーー」と誰もが振り返るような、そしてすれ違う人にマネもされちゃうくらいしつこくばかでかい声で絶叫しながら足をバタバタし始める。
バス待ちの時など耐えられなくて下ろすと、もう檻から出た猛獣のように一直線に歩いて私から離れていく。
たまに、道で下ろして手をつないで歩いてあげると、そりゃあもう嬉しそうに満面の笑みで何度も転びながらヨタヨタと歩くその姿は、二足歩行する哺乳類にしては小さすぎてなんだか人間につかまった宇宙人のよう。
しかもしばらく歩くと飽きてきて、おもむろに私の手を振り払って進行方向と逆に向かって歩き出す。
何度呼んでも振り向きもしないので、今日、試しに「キナちゃんバイバーイ」って言ってみたら、ヤツは私に背を向けたまま後ろ手で手を振りながら歩き去っていった。１歳児に負けた・・・と思った瞬間。
そういや、コタにもこんな時期あったわ。
その頃、私はコタと二人で京都の賀茂川の近くで暮してて、夕方仕事終わって保育園に迎えに行ってから、毎日のように賀茂川まで満面笑みのヨタヨタ宇宙人の手をひいて二人で散歩してた。
それを思うと、キナにはいつもお兄ちゃんに付合わせてばかりで「歩くこと」中心の遊び時間をあまり作ってやってない。そりゃ絶叫したあげく一人で歩き去るか、と納得。明日は好きなだけ歩かせてやろ。